February 07, 2007

「マキアヴェッリ語録」を読んでみました

久しぶりに本棚から古い文庫本を取り出して読んでみました。
ローマ在住の作家、塩野七生さんの書かれた「マキアヴェッリ語録」です。ちなみに塩野七生さんの著作はほとんど読んでおります。私の大好きな作家です。
今回取り上げた「マキアヴェッリ語録」も新潮文庫から出版されてすぐ購入し何度も読みました。
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塩野さんの代表作に「わが友マキアヴェッリ」という本があります。マキアヴェッリといえば「目的のためには手段を選ばず」という言葉に代表される冷酷な政治思想家という印象が強いのですが、彼女が描いたマキアヴェッリは16世紀のフィレンツェの外交官僚として現実社会と切り結び、果てた悲劇の人というイメージです。
しかしこの「マキアヴェッリ語録」は「君主論」「政略論」をはじめとするマキアヴェッリ自身が書き残した文章のエッセンスを抽出し、マキアヴェッリの思想を現代の日本人にもわかりやすく示した良書だと思います。
今回、数年ぶりに読んでみましたが改めて熟読してみると、現在の日本の政治状況を見据えたような示唆に富んだ文言が数多く含まれていることに改めて気づかされました。
たとえば

謙譲の美徳をもってすれば相手の尊大さに勝てると信ずる者は、誤りを犯すはめにおちいる。~政略論~

特定アジア諸国に対して謙譲の美徳で接した結果がどうなったか。

君主は、自らの権威を傷つけるおそれのある妥協は、絶対にすべきではない。たとえそれを耐えぬく自身があったとしても、この種の妥協は絶対にしてはならない。 なぜならほとんど常に、譲歩に譲歩を重ねるよりも、思いきって立ち向かっていたほうが、たとえ失敗に終ったとしても、はるかによい結果を生むことになるからである。 もしも、正面衝突を回避したい一心で譲歩策をとったとしても、結局は回避などできないものだからだ。 なにしろ、譲歩に譲歩を重ねたところで相手は満足するわけでもなく、それどころか相手の敵意は、あなたへの敬意を失ったことによって、より露骨になり、より多くを奪ってやろうと思うようになるのがオチなのだ。 また、思慮もない譲歩策によって示されたあなたの弱みは、味方になりえた人々をも失望させ、彼らを冷淡にさせてしまうであろう。反対に、もしもあなたが、相手の真意が明らかになるやただちに準備し、たとえ力が相手に劣ろうとも反撃に出ていたら、敵といえどもあなたに敬意を払わざるをえなくなるのである。 そして、他の国々も敬意を払うようになり、結果としてあなたは味方を獲得することになる。~政略論~

従軍慰安婦問題で特定アジア諸国との衝突を回避せんがために出した河野談話(まさに思慮もない譲歩策)が現在どのような不利益な結果を日本にもたらしていることか。中朝韓に譲歩しても、それが当然のように振る舞い、さらに日本に対し理不尽な要求を続ける特定アジア諸国。

一国の国力を測る方法の一つは、その国と近隣諸国との間に、どのような関係が成り立っているかを見ることである。 もしも近隣の諸国が、友好関係を保ちたいがために貢納してくるようならば、その国は強国といえよう。 反対に、弱体なはずの近隣諸国であるのに、それらの国々に対し金銭を持って援助する関係である場合、その国家の国力は弱いと思うしかない。~政略論~

いつまで中国に対してODAを出し続けなくてはならないのか。
「本当にもういい加減にしてくれ。」といいたいですね。
ああマキアヴェッリ先生、まさに現代日本の政治状況をお見通しです。
というか、このような良書を日本の政治家に読ませて考えてほしいものです。

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November 05, 2006

「中国はいかにチベットを侵略したか」を読んで

昨日ご紹介した「ある朝鮮総督府警察官僚の回想」とともに図書館で借りたのがこの本です。

Chibettoshinryaku
「中国はいかにチベットを侵略したか」

中国のチベット侵略に関しての情報は最近ようやくネットの中で多く語られだしましたが、私自身あまり詳しい事実は知りませんでした。しかし中華人民共和国建国早々の時期にこのような悪逆非道な侵略行為が行なわれていたとはこの本を読んで改めて知りました。昨年末、秦剛という中国の外務省副報道局長が「中国は歴史上、他国を侵略したり、他国の領土で殺人・放火をしたことはない」と述べましたがとんでもない嘘っぱちですわ。
テレビ朝日の報道ステーションでも加藤某という中国の工作員がチベットを訪れてレポートを行なっていましたが最近ラサまで開通した西蔵鉄道もこうした中国のチベット支配のための道具かと思うとやり切れません。
中国のチベット政権に対する謀略、裏切り行為は中国共産党政権の真実の姿を照らし出しているように思われます。この本で描かれる中国のチベット侵略はまさにチベットの文化、伝統を徹底的に破壊し、チベット人を奴隷として扱おうとするものでした。そのため敬虔なる仏教国であったチベットの寺院、仏像、経典などを徹底的に破壊、焼却し、僧侶、尼僧を陵辱、虐殺し、勇敢に抵抗する多くの部族を皆殺しにするものでした。さらに多くの漢民族をチベットに移住される事により人口構成を変え、まさにチベット人を少数民族とし差別、同化しようとしています。この本ではチベットの愛国者達の中国に対する絶望的な抵抗の姿を描きながら中国の行なった非道な侵略行為を告発しています。
この本を読めば日本の行なった朝鮮半島統治が侵略行為とはほど遠いものだった事が反面教師として良くわかります。
日本の隣にこのようなとんでもない国家が存在する事をしっかり自覚しておかなければ次は日本の番になりかねません。尖閣諸島や東シナ海のガス田の盗掘など今の中国の覇権主義は非常に危険だと思います。
中国には次の文章をもう一度しっかり読んでもらう必要がありそうです。
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日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約
第二条
 両締約国は、いずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇(は)権を求めるべきではなく、また、このような覇(は)権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第三条
 両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。
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それにしても中国って国は約束した事も守れないんですね。
流石は「嘘つき国家」ですわ。

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November 04, 2006

「ある朝鮮総督府警察官僚の回想」を読んで

私の父が北朝鮮生まれで終戦後、亡くなった祖父母とともに日本へ引き揚げてきたことは昨年の終戦記念日のエントリーで書いたとおりです。
従軍慰安婦や朝鮮人強制連行などの戦前の歴史についての捏造の事実が明るみになる中で、日本統治下の朝鮮半島は本当はどんな状況だったのか、当時の事をいろいろ知りたいとは思いますが既に祖父母は亡くなっていますし、私の父は終戦時8歳でしたのであまり詳しい事はわかりません。
そんな中でこの本を図書館で見つけましたので早速借りて読んでみました。
Chosensotokufu
ある朝鮮総督府警察官僚の回想
著者は京城帝国大学(現在のソウル大学の前身)を卒業し、高等文官試験に合格し朝鮮総督府のキャリア官僚となり主に警察官僚として終戦まで朝鮮半島で行政を司っていた方です。
まさに「マンガ嫌韓流」に出てきた沖鮎要の祖父を地でいっていたような方ですね。
本書は著者の自伝ではありますがその当時の朝鮮半島における様々な状況が読み取れる興味深い本です。
特に著者の同期に同じくキャリア官僚となった多くの朝鮮系日本人が居た事や、朝鮮語が自由に話され、下級警察官は朝鮮語が話せなくては仕事にならなかったこと。またハングルで電報を打つことも出来た事やなんといっても朝鮮半島にいた3000万の人口のうち日本人はわずか70万人で、都市部はいざ知らず農村部では自治体の長か警察署長くらいしか日本人はいなかったという現実には驚きました。こんな状況で日本人が自らの40倍以上の人数の朝鮮人を武力で弾圧なんか出来るわけがありませんね。実際日本の朝鮮統治は融和策に基づくものであり、日本人は朝鮮ではおとなしくしていたといわれていますからね。
こういう実際に日本の朝鮮半島統治に関わっていた方の肉声を記録しておく事は実に大事な事だと思います。私達戦後生まれの者もこういう方々の証言を知っておく事は重要な事だと思います。これぞ生きた歴史の勉強だと思います。

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October 13, 2006

「日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く」を読んで

今年の夏の小泉前首相の靖国参拝に始まるA級戦犯問題、歴史認識問題についてはやたらと反日マスコミが火をつけてあおったという事は過去のエントリーにも書いております。実際、今の価値観を持ってして過去の歴史を断罪するのは間違いであると思います。(そういう馬鹿な事をやっているのがお隣のKの国ですが。)
その当時の人々が持っていた歴史観、世界観を判断するためにはその当時、彼らがどのような歴史認識を持っていたかを知らなければならないと思います。
では日米開戦時にその当時の日本人がどのような歴史観を持っていたのかということを知るための一時資料としてこの本は是非読むべき本と思います。
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「日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く」

この本の構成としては第一部が大川周明博士の講演『米国東亜侵略史』、第二部が佐藤優氏による日米開戦に至る経緯で「日本国民が軍部に騙されていた」というのは虚構に過ぎないという事実の説明、第三部が大川周明博士の講演『英国東亜侵略史』、そして第四部が佐藤優氏によるこれからの日本への提言という内容となっています。
『米英東亜侵略史』は日米開戦直後、大川周明博士がNHKラジオにて行なった連続講演をまとめた本ですが、講演をまとめたものだけに非常に平易でわかり易い文章で日米開戦に至った経緯、そしてその当時の日本の米英に対する歴史認識について綴られています。
大川周明博士と言えば、日本の軍国主義の根幹をなした思想家として極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯として起訴されたものの法廷で東条英機元首相の頭を引っ叩くなどの奇行を行ない、精神障害のため免訴となった人物としか知りませんでした。しかし今回この『米英東亜侵略史』を読んで、彼が客観的事実に基づいて開戦に至る経緯を説明していることで、実に知的で理性的な人だったのだなという事を感じました。
「日本は軍部に騙されて米英との開戦に突入した」などということをいう人がいますが、この『米英東亜侵略史』を読めばそれが事実ではなかった事がよくわかります。
という訳で、第一部から第三部まではすらすらと読めてしまったのですが、第四部に入ってからは結構じっくり読まないとなかなか内容を理解できない難解な部分も多く出てきます。
第四部は著者の佐藤優氏の提言ですのでかなり力が入っているのはわかるのですが、それだけに色々な参考文献からの引用が多く、その文章を理解してさらに佐藤氏の提言を理解しようとすると結構骨が折れました。
しかしその中でも、印象に残ったのはその当時の日本人の死生観というものが同じ日本人とはいえ、今の日本人とは全く違った人種であったという事。そして日本人はその根源が性善説にあること。しかし性善説を持って外交を行なったがゆえに、性悪説に基づく他国に裏切られたと感じその意識が排外的民族主義として発症してしまったということ。

「善意の人ほど、その善意が認められないと怒りを覚える。国家にしても同じ傾向がある。自らの善意を常に傷つけられているという意識を持っている個人や国民は、結果として排外的民族主義を唱道することになる。」

このあたりは以前読んだ「驕れる白人と闘うための日本近代史」に出てきた「ある民族を、長期間継続して辱めると、超国家主義へと変貌する危険が生じるということは、今日では誰でもが知っているところである。」という部分にも通じてくるように思われます。
この本の著者、佐藤優氏は「外務省のラスプーチン」と言われ、鈴木宗男事件で逮捕、起訴された方ですが、この著作を読む限り、元外務官僚とは思えない際立った知性を感じさせる方です。外務官僚として国益に寄与する機会を逸してしまった事は残念ではありますが、このような著作を通して佐藤氏の知性に触れる事が出来たのは望外のことと思われます。

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October 12, 2006

「夜のピクニック」を読んで

今回は毛色を変えて小説のご紹介を。
ベストセラーの「夜のピクニック」です。
第2回本屋大賞を受賞したこの作品、最近映画化され話題となっています。
映画を見る前に原作を読んでみました。
Yorupiku
話の内容はある高校で毎年行なわれる一昼夜、80kmもの距離をただ歩くだけという行事、歩行祭。
その歩行祭に参加した男女高校生たちの青春群像、高校生というその時にしか味わえない様々な気持ちの揺らぎ、友情、恋愛感情などをテーマにして描いた物語です。
私事ですが、私の大学時代のサークルで、毎年秋、山手線一周ハイキングなるものが行なわれていました。
夜8時頃原宿駅を出発し、内回りに歩いて行きます。五反田、品川と歩き、東京駅で軽食休憩、日暮里あたりを歩く頃には眠気と疲労で意識朦朧、巣鴨のあたりで夜が明け、池袋から原宿まではマラソン。山手線一周ですから約40km。歩行祭に参加した高校生諸君の約半分程度の距離ではありますが、その時の記憶を物語の進行に重ね合わせて読みました。自分が歩いた時はたいしたドラマもなく、ただ坦々と歩くのみでしたが、もちろん中には仲のいいカップルで歩く人々もいて羨ましく感じた事が無かったとはいえません。今となって思えば、もうあのような経験は二度とできないんだなあ、としみじみ感じます。
この本を書いた恩田陸さんの作品を読むのは初めてでしたが、青春の微妙な気持ちの揺らぎを見事に描写していると感じました。自分も歩行祭に参加して歩いているような気持ちにさせてくれる作品です。
で、この作品を映画にした「夜のピクニック」。微妙な心理描写が肝のこの作品を映画にしたわけで、これは俳優さんたちの演技力が試される作品となりそうです。まだ見てはいませんが面白そうですね。近々、是非見に行ってみようと思います。

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July 23, 2006

「驕れる白人と闘うための日本近代史」を読んで

ちょっと刺激的な題名の本ですが、興味を持ちましたので読んでみました。
「驕れる白人と闘うための日本近代史」
Ogoreruhakujinn
この本は著者がドイツ語で執筆し、ドイツ語で出版した本の日本語訳です。
著者は劇作家として海外で活躍しておられ、欧米人の日本に対する無知と偏見を目の当たりに し、それに対して様々な機会に積極的に反論してこられました。ドイツのテレビに出演したときには収録後、駅頭で視聴者からいきなり平手打ちを食らうという仕打ちも受けています。
我々日本人は言葉の問題もあり、欧米諸国からの誤解、偏見に対しなかなか反論することが出来ません。松原氏のような方が日本人の代表として欧米人に臆することなく意見を述べ、誤解や偏見を解こうとされているご努力には頭が下がります。

著書ではまず日本に対する欧米人の無知と優越感について述べ、それを覆すために江戸時代の日本の社会制度やインフラの充実ぶりを描き出します。江戸時代の日本というのは決して前近代的な社会ではなく、多くの優れた点を持っていたと分析しています。識字率が高く、富は国民に広く分配され、極端な貧富の差がなかったこと。支配階級であるサムライは現在の官僚機構としての地位を占め、西洋諸国に比べるとずっと質素だったこと。3000万人の大市場が形成され、整備された水路・陸路などの交通網や郵便制度、銀行制度も十全に機能していた。これが明治の「近代化」を成功させた要因であるばかりか、明治維新後の「近代化」によってむしろこれまでの日本社会が持っていた良さが失われた面もあると主張する。例えば明治の「農地改革」は、これまで日本に存在しなかった「土地の個人所有」という概念を社会に持ち込んだあげく、共有地を個人の所有地にし
大地主制度を作り出してしまいました。
また、明治政府が取り組んだ諸外国に対する、「関税自主権の確立」「「治外法権の撤廃」という大命題にいたった、開国前後の列強のやり口の汚さも執拗に描き出されています。正直、ここまで酷いことがあったとは知らなかっただけに、日本の富を収奪しようとした列強のやり方には激しい怒りを覚えました。

ヨーロッパ大陸は自然に呪われた貧しい土地であり、オリエントから胡椒や絹等の富を輸入するための対価として、「スラブ人」と同じ語源の「奴隷(スレイブ)」を輸出するしかない、という暗い歴史を持っていたとは知りませんでした。こんなことを書かれてはヨーロッパ人が怒るのも無理のない話でしょう。しかし、この貧しさが大航海時代を生み出した原動力であり、母国から何千マイルも離れた異国を植民地にする執念を持つに至ったのです。
そして植民地主義の欧米諸国と日本の邂逅がこのような「力」によるものであったがために、それに対抗する日本の国家主義を鼓舞する結果となってしまったこと。

「ある民族を、長期間継続して辱めると、超国家主義へと変貌する危険が生じるということは、今日では誰でもが知っているところである。」

著者の慨嘆が聞こえてきます。ただ少々疑問に思ったのは、日本の「超国家主義」的所業として、「日韓併合」や「南京大虐殺」といった事が述べられている点で、実際にあったかどうかも定かでない南京大虐殺や、日本の資産を持ち出してまで近代化を行い功罪両面のある日韓併合について例示するのは、著者もまだ戦後の自虐的教育を断ち切れていないように思います。
しかしながらそのような部分を大目に見たとしても、こういう事実を知れば、私たちがここまで学んできた歴史というものが、いかに白人優越主義の視点で成り立っていたかということに気づかされます。同じ歴史を違う視点から見ればいかに違って見えることか。歴史認識の転換を迫らせられるすばらしい著作です。

最後に著者は江戸時代の日本を、これからの世界のあり方を考えるときのモデルに出来るのではないかと提案しています。鎖国をした閉じた狭い国土に、おおぜいの人間が大きなトラブルもなく暮らしていた。確かにこれは限られた土地と資源の中での共生モデルとして21世紀の世界を構築するモデルになるかもしれません。そういった意味では文明論としての読み方も出来る良書だと思います。是非、一読をお薦めします。

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June 06, 2006

「白洲次郎 占領を背負った男」を読んで

地元紙「西の風新聞」の今年の新春対談で元衆議院議員の石川要三氏が紹介しておられた「白洲次郎 占領を背負った男」を読んでみました。
Shirasujiro
白洲次郎氏は大富豪の子息として生まれ、戦前に英国ケンブリッジ大学に留学し、終戦後は吉田茂首相の片腕として終戦連絡事務局次長、さらにサンフランシスコ講和会議の際には講和会議主席全権顧問を務め、またその後は財界の大立者として東北電力会長を始め数多くの要職を歴任し、戦後の日本経済の発展に尽くしたことでも知られています。
中でも終戦連絡事務局次長として、多くの日本の政治家や官僚が終戦後意気消沈している中、「戦争には負けたが奴隷になったわけではない」と敢然と日本側の代表としてマッカーサー率いるGHQと対峙し「従順ならざる唯一の日本人」と呼ばれた気骨ある人物です。

石川氏も述べていましたが、特に日本国憲法の制定に向けてのGHQとの交渉のやり取りは実に興味深い話です。当時、GHQ内ではホイットニー准将率いる民政局とウィロビー少将率いる参謀第二部との間で主導権争いが発生していました。民政局側は主導権を握るため、行政公職課長のケーディス中佐を中心とする憲法作成の極秘プロジェクトチームを立ち上げ、憲法については全くの素人集団である25名のメンバーがわずか9日間でGHQ案を作成し、日本側から上がってきた松本案を拒否し、このGHQ案を受け入れるかどうかをわずか48時間で日本側に回答させようとしました。これに対して日本側は激しく抵抗しましたが結局、涙をのんで受け入れたとのことです。白洲曰く『「今に見ていろ」ト云フ気持抑へキレス。ヒソカニ涙ス。』
この実態こそ現在の日本国憲法が占領軍によって強制されたものであったという何よりの証拠であり、この事実を読んだ時はちょっとショックでした。まさに日本国憲法の真の姿を知ってしまった驚きと、このときの日本側の人々の口惜しさを共有することが出来なかったことが60年後の今になっても自主憲法を制定できずにいる大きな原因であったと思います。
もはや鬼籍に入られた白洲次郎氏が今の日本の改憲論議を見ていたらどのような感想を述べたか聞いてみたい気がします。
また、この本には彼のダンディズム、プリンシパル(気骨ある精神、生き方の大原則と訳せばいいように私は思います。)そして人間としての大きさも記されており読み終わった後、非常にすがすがしい男の生き方、人生というものを感じ取ることが出来ました。かなりの厚さのハードカバーではありますが一気に読み終えることの出来る本です。是非、多くの人々に読んで欲しい本だと思います。

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May 16, 2006

「都立高校は死なず 八王子東高校躍進の秘密」を読んで

東京都立の進学重点校に指定されている八王子東高校。
八王子東高校に着任した辣腕新任校長の学校改革の
記録が出版されました。

「都立高校は死なず 八王子東高校躍進の秘密」

toritukoukouhashinazu


地元の多摩地区の高校でもあり、学校改革について当事者である校長が書き記した本であり、興味を持って読んでみました。

学校は一種の閉鎖社会であり、また戦後、日教組を中心とする左翼教師が勢力を持ったせいもあり、悪い意味での平等主義、無責任主義が教職員の中で蔓延しているといわれます。
著者が都教委の指導部長に送った年賀状の文面がそのことを良く表しているように感じます。

----------------------(ここから引用)------------------

「どうして学校が課題解決に向けて動けないのか、校長になって分かりました。校長の権限が奪われているのです。人事権、予算権、学校経営の施策決定権、何もかも奪われています。皆で集まれば校長なんて怖くない、教育委員会なんて怖くない、職員会議でみんな仲良く、校長も教頭も平等の一票、だから俺たち、わたしたちの意のままよ。それがマッカーサーも、日本の良心である戦後のリベラリスト、学者も褒め称えてきた民主主義という絶対正義というものよ、という教員集団の意識が蔓延しています。学校改革とは、この教員の意識改革のことで、権力闘争なのです。この戦後の正義感覚、モンスターを倒さないと、校長のリーダーシップを発揮した学校改革、教育改革などあり得ませんね。」

----------------------(引用ここまで)------------------

著者が学校内の教職員と校長との関係を「鍋のふた」にたとえています。教職員が上下関係のない平面な鍋蓋であり、その上にちょこんと鍋の取っ手のように校長、教頭がくっついているのだというたとえ。
校長の考えよりも教員会議の結論の方が重要視されるという、一般社会の常識からすればおかしな状態が学校の実態としてあるということです。

著者は学校が生徒や地域社会にとって意義あるものでなくてはならないという理想を持って、これまでの体制に対して「内なる闘い」を挑みます。
その「闘い」の中身については一部詳しく語られていますが、恐らくそれは氷山の一角であり、その他多くの「闘い」についてはオブラートにくるんでいるように思われます。
著者は現在は私立高校の校長に転身していますが、多くの当事者が今も現場にいることを考えれば、まだあからさまにできない「闘い」もあったことと容易に想像できます。

著者が校長として勤務していた4年間に、私学や他の公立高校に負けない学校とするため、新しい人事制度や進学校として生き残るための様々な方策を実施し、教職員の意識を改革し、学校の体制を変革し、学校の付加価値を高めることにより、他の高校との差別化をはかったことが本文中で語られます。

著者が考えて行なった事は教職の場のみならず、一般の企業においても成功の法則といえることであり、そういう観点からこの本を読むのも興味深いと思われます。

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March 13, 2006

「世にも不思議な中国人」を読んで

以前、総選挙後の総括記事で紹介しましたらんさんのBlog 中華的生活「多少銭?」の記事が本となり、このたび出版されました。
misteriouschaina「世にも不思議な中国人」 (刊:株式会社ワニブックス)
らんさんのBlogを知ったのは昨年の総選挙の前後です。その後は定期的にRomらせて頂いていますが、実際に魔大陸 中国で生活し仕事をしながら生の中国、中国人について発信しつづけていらっしゃるそのエネルギーには常々敬意を感じておりました。
このたび出版された本はBlogを読んでいる方々には既知の内容ではあります。しかし本として出版されたものは、朝倉世界一氏の挿絵と一体となり、また違う趣きを感じる作品となっています。

しかし、何度読んでもこれが中国人の真の姿とすれば、本当にマンガというか、呆れかえるというか、我々とは全く違う価値観に生きる人々であり、日本に対して無理難題を次々と押し付けてくるのもむべなるかな、とつくづく思います。
特に個人的にウケたのが「嘘つき中国人」の記事。全く日本語が出来ないにもかかわらず日本語堪能と履歴書に書き、高額の給与を求める「嘘つき中国人」をらんさんがやり込める話ですが、先が読めてしまうのかなと思いつつあれよあれよと話が進み、やっぱり思ったとおりのオチかと笑わせてくれる話です。
私の職場にも中国出身者が何人かおりますが(コチラは日本語堪能ですが)、この話、是非彼らにも読ませて見たいものです。
今の中国の真の姿を読み解く入門書としてお薦めしたい本です。

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February 26, 2006

一家に一冊 「マンガ嫌韓流」&「マンガ嫌韓流2」

2月22日、「竹島の日」に「マンガ嫌韓流2」が発売されました。

kenkanryu2
発売以来、マスコミに黙殺されながらも口コミやネットのなかで評判を呼び、45万部を売り上げた前作、「マンガ嫌韓流」に続く第2弾となります。

購入後、週末を利用して一気に読んでみました。
さすがに第2弾ということもあり前作に比べ、内容が良く練りこまれているように感じます。
韓国の反日教育、領海侵犯、従軍慰安婦問題や在日韓国、朝鮮人の在日特権、生活保護の不正受給などの「外患」について詳しく語られます。

また、「嫌韓流2」という題名ではありますが、教科書採択問題や人権擁護法案など一見韓国と関係ないように見える問題についても触れています。
そしてこれらの問題について日教組や反日マスコミなどが大きくかかわっており、このような反日組織、集団の存在が日本の「内憂」の本質であることを指摘しております。

内容に関してはネットで語られていることがほとんどではありますが、読みやすいマンガとしてまとめられていることで事実を知らない初心者に事実を知ってもらうために好適な書物であると思います。
またベストセラーの第2弾ということで、どんなにマスコミが無視しようとも話題になることは明らかで、そのような本に日本の「内憂」として日教組や反日マスコミについて触れられているのは大きな意義があると思います。
惜しむらくは在日のパチンコ利権のことや煎餅学会のことについて触れていればさらによかったと思われます。

「マンガ嫌韓流」&「マンガ嫌韓流2」、この2冊は日本人として一読しておくべき価値のある本であると思います。
一家に一冊、「マンガ嫌韓流」&「マンガ嫌韓流2」お薦めいたします。

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